2009年04月25日

DB2 V9.7

IBMの「元祖RDBMS」、DB2の最新バージョン V9.7が発表されています。

Informixは去年 IDS V11.50というメジャーリリースがありましたが、それに匹敵する大きなリリースです。
(今年はInformixについては今のところ大きな発表がないようですね。ロードマップを見ると来年は色々ありそうです。。)


さて、このDB2 V9.7の主な新機能を見てみると、当然ながら、
(A) Informix には今存在しているような機能(だからと言って、Informixから移植したとは限らないですが)
(B) DB2が最初に実装した新機能で、Informixにも是非欲しいもの

も含まれています。(DB2のドキュメントを精査したわけではないので、あてずっぽうですが..)
- Improved locking for better concurrency ( これは多分 IDS V11.10で"LAST COMMITED"コンカレンシーとして実装されたものと同じような機能でしょうね )
- Ability to recompile statements without parameter markers
- Ability to re-use old access plans across fixpack updates ( こういう機能があると移行後の性能維持の上では安心かも知れないですね。)
- More functions for string and date manipulation
- New data types such as NUMBER, VARCHAR2, etc. ( これはORACLEからの移行対策でしょうね。)
- Easier casting between data types
- Default parameter values and assignment of parameter values by name
- Boolean, cursor, row and array data type support in procedures
- ROWNUM and ROWID ( InformixにはROWIDはありますが、ROWNUMはないようですね。"SELET SKIP m FIRST n"で代用するしかありませんが、これだと行数を調べようとした時にはWHERE節で引っかかる全件の行数になるので、難しいですね。IDS 11からは、FROM節に問い合わせを書けるので何とかなるかな。SELECT COUNT(*) FROM ( SELECT SKIP 3 FIRST 2 col1, col2 FROM t1) ; とか。 )
- Better Python support for DB2


この他のDB2 V9.7の目玉として、「COMPRESSION (圧縮)機能の強化」というものがあります。ディスク上に表のデータを格納する際に重複値を符号化したりして必要なサイズを少なくする、というのが圧縮機能で、この機能自体はひとつ前のV9.5で実装されました。ストレージがテラバイト単位で必要となるような中・大規模のDBでは、このような機能はコスト(例えばディスクドライブ代)を抑える上で重要です。この機能が、V9.7では更に強化されたようです。

さて、Informixの話に戻りますが、最新のインテリム・リリースである、Informix Dynamic Server V11.50.xC4が間もなく出荷開始となります。すでに、修正障害一覧などが公開されています。
このリリースでは、Informix Dynamic Serverとしては初めて、この圧縮機能が実装されるようです。これについての詳しいホワイトペーパーが公開されています。ぜひご一読ください。この内容については、別途書きたいと思います。

DB2とInformixは、以上の例でもお分かりのとおり、独立して進化を続けながらも、その過程で相互においしい機能を取り込んで、それぞれの利用者に新機能として提供しつづけています。Informixを普段使っている皆さんも、たまにIBMウェブサイトなどのDB2関連コンテンツをちらりちらりと覗き見していただき、「こんな機能はInformixにも欲しいぞ~」という声を上げると、ひょっとしたら実現するかもしれません。もちろんその逆もあります。Informixの機能をベース ( または機能にインスパイアされて)DB2に実装された機能って、HADR ( InformixのHDRに相当)を初めたくさんありますが、まだまだ奇妙な機能がInformixにはたくさんあります。普段DB2を使っている皆さんも、たまにInformixのマニュアルなどをちら見すると、フィーチャーリクエストのネタが見つかるかも。。


プレスリリースに書いてありましたが、DB2 V9.7の開発時のコードネームは「Cobra」だそうです。確か、以前のバージョンは、Stinger ( 蜂 ) とか Viper ( がらがら蛇 ) とかだったような。ナカナカ毒のあるネーミング。。

ちなみにInformixは、最近だと Cheetah とかPanther (次期リリースらしいですね)とか、猫系です。奇しくもMAC OSXと似たような路線です。そのうちLeopardとかSnow LeopardとかTigerとかもコードネームに使うんでしょうか?


タグ :cheetah2db2

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